【工具鋼Gr.】販売店・熱処理Sec. 伊藤妙子

入社からどのような事をしてきましたか?

トラックが営業車という驚きから始まりました。だから配達もしますし、世間一般でいう「営業職」という枠に囚われずに取り組んできました。
私の前職は新規のお客さんへの飛び込みの方が多かったので、会社説明から入ることが多い経歴でした。当社はルート営業がメインなので、すでにお客様と当社の関係ができており、営業と言っても何をどう売れば・・・という壁に最初はぶつかりました。営業するには当然商品知識が必要になってくるのですが、鋼の世界は非常に奥が深いです。
材料のことだけでなく、熱処理、加工を含め色々な知識が重なって蓄積されていないと自信を持って売れないという感覚がずっとあったので、そこがとても大変でした。

入社時の配属は浜松営業所でしたが、ファクトリーモール機能のある本社に異動しました。鋼材の切断、熱処理、加工も社内で完結しているので、分からないことがあったら担当者の所まで行って直接聞くことができるようになりました。社内で分からない所を確認するのに聞くだけでなく見ることもできるため、安心感や楽しさを覚えました。自分で実際に確認できるので、返ってきた答えに対して納得しやすいです。

今の仕事にやりがいを感じますか?

とってもやりがいがありますよ、面白いです。
「You来ちゃいなよ!」的な感じで本社に来て、工具鋼グループの販売店Sec.という部署で販売店のお客様を担当することになりました。販売店様は当社と同業のため、自分で営業するといっても、実際加工されるユーザー様とは販売店様を通じた間接的な関係となります。現地で現物を見て納得できると先ほど言いましたが、それがし辛い部署です。
ユーザー様への状況確認のため同行していただける販売店様の方や、逆にそれをやりたくないような人もいるので難しいですね。だから、お客様が情報を見せてくれるまでちゃんと心を掴まなきゃいけない、そこからスタートになってくるので。
今は営業担当から外れ、社内で営業職と事務職の橋渡し役などをしています。まだ知らなければいけない部分が多いので、そういった箇所を勉強しながらできることをしています。営業って外に出てナンボだと思いますが、同時に社内的な処理や事務職への情報展開も大事だと考えています。ただ、そのバランスを取るのは大変なんです。
そこで私ができることをしようと思い、どんどん話を展開したり資料を作ったりして、そういった価値を出すことにやりがいを感じています。
たまに、システム入力で受注処理だけでなく「システムの中身を見てくれないか」と相談されることもあります。「私IT担当じゃないんだけど?」みたいな。最初は「鋼材なんじゃこりゃ!」だったのですが、今は「IT用語なんじゃこりゃ!」な状態です。

入社当時と比べどういう所が成長したと思いますか?またどんなときにそれを感じますか?

まずお腹まわり?みんなもそうかな(笑)。
常に今を必死に取り組んで、それこそ子育てに家庭と仕事の両立で毎日があっという間に過ぎてしまうので振り返っている暇もないし、落ち着いて目標を立てる時間もない感じです。目の前の問題・課題に取り組んでいる感じなので・・・どうでしょうね、成長しているのかな?
でも担当が変わった後も、過去に担当していたお客様からお電話をいただけることがあるんです。ちゃんと信頼してもらえているのだなと感じる瞬間で、その際には成長といいますか、自分を褒めてあげたいなという気になります。
私の持論ですが、話を聞くのは“プレゼントの一種”だと考えています。人に話を聞いてもらうと嬉しくなりませんか?
プライベートで友達を作るときのポイントとしても特に心がけているので、そういった姿勢がお客様との信頼関係構築に一役買ったと考えています。

Tableau(データ可視化ツール)によるデータのまとめ方についても苦労をしました。自分がこんな感じかな?と資料を作成しても、経営層が見たいデータと視点が異なっていて「そうじゃない!」と言われたこともありました。
まさに木を見て森を見ずといった、従業員側からしてみるとその森の規模感が分からないといった感じです。そんな時も上司はきちんと指摘し教えてくれるので、「そういうことだったのか!」と腑に落ちやすいですし、その経験を次回に活かせると感じています。

将来どのようにありたいですか?

分かりません!私はどこに行くのだろう・・・?みたいな。
様々な経験を積めばそれを線で繋げやすくなるので「ドンと来いっ!」と言いたいのですが、ドーンが何来るか分からないですからね、この会社(笑)。
今は今でやりがいがあるので、今後新しい営業さんが入社した時にいきなり全部できる訳がないので、それをサポートするというサポート側を極めるのも面白いと思っています。管理職側だと上司みたいになってしまうので、同じ目線でああじゃない、こうじゃないと言える感じの方がしっくり来ます。

今の立場なら一緒に同行も行ける、データも展開してあげられる。「こういう風に上司に言われたー!」となっても「こういうことだよ」とか「そうだったね」と同じ目線、同じ立場だからこそ言えることがあると考えています。“頼れるマルチな姐さん”みたいに思われたら嬉しいですね。
コミュニケーションを取りながら一緒に成長していきたいと言いますか、それが一番自分の強みを活かせると今は思っています。

男性が多い業界ですが、実際に仕事をしてみてどうですか

大事にしてもらえたり、ひいきにしてもらえる場面はあると思います。
ものを運ぶときのリフトやクレーンも、本当なら免許を取って自分でも降ろせたりした方が良いと思っています。営業はそういう場面に出くわすので。それをお願いする際も、「持ってきました!」や「こんにちは!」って言った時点で「ハイハイ」とお客様が全部手伝ってくださる感じはあるので、そういう所は女性で良かったかも。
余談ですが、なるべく現場に荷物を降ろすときは大きな声を出します。挨拶はデカい声で!おしとやかに「すいません」と言われるより、元気があった方がいいと考えています。
あと、トラックから降りた際、まさか女性が降りてくると思っていなかったというお客様が時々います。「持ってきました!」と言いながら降りていったら「えー!トラック乗っているの!?」と。ちょっとしたプチサプライズをした感じで、その辺も女性として良かったかなと思いますね。

お客様には女性の営業さんや社長さんもいらっしゃいます。「割と今は増えてきてはいるけど元々少ないから」と言いながら、女性同士で結構団結できますね。向こうの方にも「はっ!女性のひとー!」みたいな感じで行くと、結構仲良くなってもらえたりします。少ないゆえに、女性同士の関わりが深く持てる。女性ということで可愛がってもらえるから、メリットはあるかもしれませんね。


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