【生産材Gr.】営業Sec. マネージャー 下郷庸平

どのようなお仕事か教えてください

基本的にルート営業です。
昔からの長いお付き合いのお客様を担当するのですが、売り上げの大きいお客様はほぼ毎日通っています。
お客様との話は雑談が中心ですね。タイミングは色々ですが、雑談の中に仕事の話も織り交ぜながら、要望があればメーカー様にその情報を素早く提供します。その要望に対してメーカー様ができるのか、できないのかなどの情報をお客様にすぐさまフィードバックします。当社はメーカー様との橋渡し役なので。 

当社はメーカー様から鋼材を仕入れ、在庫保管し、お客様が欲しい時に欲しい数量を欲しい納期で提供します。
在庫数量については、お客様から来月これぐらい使いそうという情報、“内示”というものがあります。その内示を基に社内でバランス表という在庫管理表を作成し、2~3ヶ月先の納期までメーカー様に発注します。 
発注した材料が入荷するまでに、お客様の方でも車の生産台数などが増減するので、その情報をお客様と随時共有します。増産しそうだったらそのままメーカー様にフィードバックし、減産しそうだったら納期調整などを行うというのが仕事の基本ベースになります。 
基本的に我々の部署の商材は自動車部品に使われるので、1回注文が決まったら長い期間採用されます。それを紐付きの材料と呼んでいます。例えばある商材が月3トン出ますという案件を新規で取れたとすると、それをずっとなくなるまでフォローし続けます。その間は材料の供給を切らさないよう我々で適正な在庫を保管しなければなりません。そのためにも、お客様に「今月どれだけ使います」とか、「来月はどれだけ使いそうですか」などの情報を内示でもらい、「来月これだけ使うということは、これだけ注文しなきゃ」という管理を行っています。

材料はどんな場所に使われていますか? 

例えば、車のブレーキパッドの中に使われるステンレスの材料は当社がほとんど納品しています。他にも「バイザークリップ」という、車の“日よけ”がありますよね。これのシェアの7割くらいを当社のお客様が作っており、その材料を当社が供給しています。
あまり目に見えない所ですが、自動車の後部座席によく付いている、サッと出せるメッシュの日よけ(ロールサンシェード)についても、樹脂の一番上の部分に鉄の針が入っていて、これも当社が供給しています。他にもいろいろありますが、目に見えない所で皆さんの生活に必要なものを納めています。 

どうやって商材は採用されるのですか? 

材料は基本的に図面の段階で指定されています。お客様がいろいろな会社に見積り依頼するので、それを我々営業が取りに行くことになります。お客様の信用を得るために普段から営業活動を一生懸命頑張ります。 
4~5年前の話ですが、120キロの商材を納めた際に、それが30キロ4つの細切れで入ってきたという連絡がお客様から来たことがあります。それは別に使えない訳ではないのですが、加工機械へセッティングする手間が個数分増えるので、お客様は基本的にそういうのを嫌がります。そういうものがあるときは事前連絡が必須です。
ある時、子どもを抱きながら保育園にいたのですが、突然お客様からクレームの電話がかかってきました。
すぐにお客様の元へ伺ったところ、机の上に小さい材料が置かれていたのですが、良く見たらそれ当社の材料じゃなかったんですよ。「あれ?これ見たことないな?」と思って。 

絶対当社の間違いではないと思ったので、私はすぐに会社に誤納品がないことを確認しました。お客様はお客様で調査した結果、別工場から持ってきたもので当社が入れたものではなかったことが分かりました。お客様は「すいません、間違っていました」と謝ってくださいましたが、当時は釈然としない気持ちになりました。 
でも、我々が一生懸命、真剣にやっていることを分かっていただけたみたいで、そこからその担当の方とはすごく仲良くなったんですよ。翌日から普通に、何事もなかったようにそこから仲良くなって、とても良くしていただきました。 
それでも、仕事に対する要求はすごく厳しかった。何回も「会社に行きたくないな…」と思ったこともありましたけどね(笑)。 
けれど、その人に嫌われるよりも好かれた方が良いと思い、頑張っていたのが良かったと思います。

この部署の仕事で海外と関わることはありますか ?

現状はまだ日本の愛知県が基本ですね。タイにも当社の拠点があり、タイの日系企業をメインに取引していますが、最近だとインドネシアに自動車メーカー様が工場を建て、現地調達を始めています。それをタイやベトナムの拠点からどうやって当社の存在を示しながら関わっていけるのかというのが今後の課題だと思います。基本的にはタイと話をしており、どう活かすかなどを相談しています。

日本だけでは今後市場が縮小していくと予想されているので、海外進出が必要だと思っています。指をくわえて待っていられないから売り込まなきゃいけない。そこは課題かなと思います。

これからどのように会社を成長していきたいと考えますか ?

今は地元の東海3県、愛知、岐阜、三重がメインですが、違う地区、もっと広い展開をしなければいけないと考えています。あとは自動車がメインなので、それ以外も取っていかなくてはいけないと思っています。これが生産材Grとして思っていること。 
私個人で思っている事としては、本当にオール山一でやりたい。「自分が良いからいいや」じゃなくて各個人がちょっとでも「誰かのために」とそういう意識で仕事をしてほしい。他の部署の商材を提案したりとかね。今若いメンバーが他部署の人と一緒に活動していて、すごく良いことだと思う。 
今までは部署間で壁があるように感じていたけれど、結局同じ会社なんだから、どうせ働くんだったら楽しく働きたいよね。 

下郷さんは子育てと仕事を両立していますよね? 

妻もフルで働いていて、あっちはあっちで忙しいのでじゃんけん(笑)で家事分担しています。朝は毎日私が保育園に送っています。 
帰りは妻の方が定時で帰りやすいので向こうにお願いしていますが、どうしてもの時は私が定時ダッシュで帰ります。18時までに迎えにいかないと延長料金がかかってくるからね、もうギリギリですよ!

営業って結局自分でスケジュールをコントロールできるので、慣れてきてそういう関係性を作ればお客様にも「明日休むから今日中に教えて」とか、休みやすいといえば休みやすいですよね。事務職は、今チームを組んで試行錯誤でやりだして、お互いがカバーできるように頑張ってくれています。だからゆくゆくは育休、産休取っても大丈夫だよという感じになりつつあります。 
最近、現場では育休を取る男性が増えていますが、マニュアルがあるから他の方でもカバーしやすいのです。でも営業って、担当でないと分からないことが多いので、そこが課題だと思っています。ただ、その引継ぎをちゃんとすれば、育休もしっかり取っていけると思います。