山一ハガネが開発した“CAST”は表面処理でエアコンの暖房においても熱伝達率を向上させ省エネ化が図れる世界で唯一の技術です。
※特許第7291983号
「放熱性」「撥水・親水性」「流動抵抗低減」など様々な特性を付与することができるため、省エネが求められる白物家電分野から、発電等の重電分野まで、様々な分野でのカーボンニュートラル実現に貢献できます。
【CASTが特許登録されました】
「CAST」がこの度、特許に登録されました。
・発明の名称:熱交換器用部材、熱交換器、冷却システム
・日本国特許登録番号:第7291983号
・出願日:2021年3月2日
・特許権者:株式会社山一ハガネ
【NEDOに採択されました】
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「2022年度「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」の追加公募」に採択されました。
2022年度追加公募 採択テーマの中で一番高い省エネ効果量となっております。(※21.5万kL/年という数値はNEDOの規定による計算で算出されたもの)
当社は環境課題の希望の光となるCASTで地球の未来に貢献してまいります。
炭素のみで構成されている直径がナノメートルサイズの円筒(チューブ)状の物質。密度がアルミニウムの半分程度と非常に軽いにもかかわらず、強度が鋼の約20倍にもなります。また、銅の1000倍以上という高い電流密度耐性があり、さらに銅よりも高い熱伝導性を備えています。
カーボンナノチューブは日本発の技術ですが、“夢の技術”と言われながら高価であるがゆえ長く使われることがありませんでした。
山一ハガネはこのカーボンナノチューブという日本の技術で社会に貢献、カーボンニュートラル実現のためにCASTの開発に取り組み実用化に成功しました。
カーボンナノチューブ(CNT)を用い、下記のような容易な湿式処理で、ナノレベルの微細凹凸を形成。 従来のコーティング技術と比較して、格段に薄い酸化膜にわずかなCNTを添加することで、安価に様々な特性(濡れ性制御、流動抵抗低減、放熱性向上等)を付与することができる、まったく新しい表面処理技術です。
CASTは、エアコンの熱交換器に表面処理を施すことで、暖房における熱伝達率を向上できる世界で唯一の技術です。
以下の動画では、エアコンを設置した室内を模した実験装置でCAST処理済みのアルミ板と未処理のアルミ板の熱伝達率の違いを検証しました。
<CAST済みアルミ板による熱伝達率の違い>
未処理もCAST処理済みも付加される電力(40W)は同じですが、熱伝達率の違いによって室温にこれだけの差が生まれます。
近年、エアコンの高効率化技術が頭打ちになっている状況の中で、まったく新しい観点からエアコンの性能アップを実現。高効率化により消費電力を大きく削減できるため、カーボンニュートラルに貢献します。
CASTは物質に様々な特性を付与することができるため、以下のような分野での活用が期待されています。
【測定条件】
・測定サンプル:内径5mm×500mm(SUS304管 CAST処理有り/無し)
・使用流体:エタノール体積割合50%の水溶液、空気
・体積流量比:0.0~1.0(0.1増毎ごとに測定)※体積流量比=空気体積流量/全体積流量
・レイノルズ数:1,600
注)試験は株式会社フローテック・リサーチにて実施。
従来手法(サメ肌の形成:4%の効果)に比較して、CASTには格段に大きな圧力損失低減効果がある。
国際的な学術誌である「Journal of Surface Engineered Materials and Advanced Technology」に論文として掲載。CASTのメカニズムが世界に認められ、カーボンナノチューブの産業化への道が切り拓かれました。
論文へのリンクはこちら→