世界を翔けるYS BLADES!

昨今のYS BLADES使用選手の活躍について

選手の皆さんの活躍については大変嬉しく思っています。

YS BLADESの材料には、様々な特性を持つ特殊鋼の中でも、硬さと靭性(素材の粘り強さ)を一番バランスよくコントロールしている材質を選びました。その特殊鋼に山一ハガネ独自の熱処理、機械加工、技術を加えることでその素材の持つ特性を最大限に引き出しています。

選手の足もとを支える「YS BLADES」

その結果、曲がったり折れたりせず、頻繁にブレードを交換する必要がなくなり、刃研ぎの頻度も非常に少なくなったと聞いています。

他にも「ブレードに対する不安がなくなり安心して練習に集中できる」「ひと蹴りの伸びがよく、少ない力でスピードが出せ、ジャンプや回転の技に集中できる」など様々な声が届いています。

履いた瞬間に違いを感じてくれる選手も多く、YS BLADESの良さをわかってくれる選手が増えてくれたことは嬉しいですね。

日本男子強化選手の多くの方に履いていただけていることを知ったときは、改めてYS BLADESの広がりを感じましたし、物心両面でフィギュアスケートという競技に青春をかけている選手の皆さんのお役に立てているという実感と誇り、そしてそれに伴う大きな責任を感じています。

YS BLADESの活躍で、今までで一番嬉しかったこと

選手の皆さんが各種目で日本一、世界一のメダリストになってくれたことはもちろん嬉しかったですが、皆さんの活躍により今までご縁のなかった多くの方々に、当社に興味を持ってもらえるようになったことが一番嬉しいですね。

YS BLADESが良い変化をもたらしてくれたと語る

社内のみならず家族との共通の話題が生まれ、一緒に応援したり仕事に興味をもってくれる場面も増えました。YS BLADESの認知度が上がるにつれ、どの選手が履いているかについてはもうファンの方や家族のほうが詳しいです。

そうやって本来、山一ハガネとは直接縁のなかった人たちにYS BLADESを通じて山一ハガネを知ってもらうことができ、本当に嬉しいです。

山一ハガネのモノづくりに対する思い

当社の経営理念にもありますが、「社員の幸せを実現」するためには当社が世の中に必要とされる会社にならなければなりません。

創業以来続いている材料販売はモノづくりにとって必須な仕事ではありますが、その機能において当社に取って代わる会社は幾つもあります。

経営理念の実現と強固な差別化を図るためには、他社に真似のできない部分を作らないといけません。

しかもそれは思いつきで始めたような事業ではなく、必然性のある今まで取り組んできた歩みの延長でないと意味がない。そうでなければ当社が提供する製品に、当社独自の付加価値や、魂が宿らないからです。

寺西のモノづくりに対する思いは深い

当社のモノづくりはお客様の様々な困りごとに対して最適な提案をしていくことです。

YS BLADESは選手たちの困りごとに対して、我々が持つ材料の知見、環境、技術、チャレンジ精神を集約させた製品です。

従来品のブレードは、進化するスケーティングに求められる要素に対応できていませんでした。近代フィギュアのブレードに求められているのは「折れない」「曲がらない」「刃こぼれしない」という点で、正に日本刀の特徴と同じものでした。

当社の扱う特殊鋼は日本刀にルーツがあります。我々にハガネの知識があり、お客様の困りごとに対して具体的に提案し差別化した結果がYS BLADESです。

この経験で得たアプローチの仕方を、全てのビジネスに展開できればと思っています。

寺西のYS BLADESに対するこだわり

従来の溶接されたブレードを見た瞬間に、選手が抱える問題を根本的に解決するには一体構造一択だと思いました。

使用されている材質と溶接構造では、ジャンプの衝撃に耐えられず曲がったり折れたりするはずだと簡単にイメージができましたから。

だから、ハガネ本来の特性を失わず均質に活かせられる一体構造にこだわりました。

実際に強固でしなやかなブレードが完成し、試作品を試した選手の開口一番が「ひと蹴りの伸びが全く違う」でした。最初に褒めてもらえたのがその言葉です。

こだわることで得た「モノづくりの面白さ」を笑顔で語ってくれた

他にも、軽い力で伸びるので全く疲れないとも言っていただき、私が思い描いた通りの結果が出ました。「モノづくりって面白い」と心の底から実感したのはそのときが初めてかもしれません。

困りごとを解決することにこだわった結果がメダリストを支えるブレードになるとは、当時は全く思ってもいませんでしたけどね。

YS BLADESの海外展開への思い

YS BLADES「翔」と「藍」

昨年(2023年)の11月に、ドイツで行われた世界最大級のスポーツ用品展示会「ISPO」に出展しました。

ISPOのイベントではYS BLADESを目当てにピンポイントで来てくださる方が多く、求めるものが非常に具体的でとても濃い時間を過ごせました。特に中国、韓国の代理店が興味を持ってくれましたし、ヨーロッパでもフィギュア関連の仕事に携わっている方に来ていただきました。

日本国内でも認知されるには長い年数が必要でしたから、ひとつひとつを丁寧に対応していき地道に海外での需要を増やしていきたいですね。

ある選手に、ライバルが増えるのでYS BLADESを広めて欲しくない、と冗談交じりで言われたことがありますが、それだけ信頼を置いて頂いていると思うと、ただただ嬉しい限りです。

Let's Begin!の精神 

子どもの頃に放送されていた青春ドラマのキャッチフレーズが「Let’s Begin!」でした。

その言葉が子ども心にすごく新鮮で心に残っていて、大学の先生からモットーを問われたときに、本能的に思わず出たのがその言葉です。その時から座右の銘は「Let’s Begin!」です(笑)。

とてもシンプルですが、この言葉には様々な意味が凝縮されています。

「仕事=変化対応業」です。目まぐるしく変化する現代社会、何に対しても興味を持ってチャレンジすることが大切です。それが他に先駆けたことを行う基本であり、きっかけだと思うからです。

他にも、「Everything」の「にでも」にかけて「Difficult」の「にでも」。難しい仕事にも興味を持ち、それに対し問題解決法を考える。1人で駄目だったらみんなで考える。そうすることで解決に近づくことができます。

チャレンジすることで得るものがあると語る寺西

昔から私は「お節介を焼け」と言っていますが、自分のやる範囲を線引きせず飛び越えて興味を持ち、一歩踏み出してお節介を焼こうという気持ちが必要だと思っています。

お互いがそうやってお節介をする部分がないと、やはり仕事はうまく回らないですからね。

既存の事業を守りながらも、歩みは止めずに新しいことにチャレンジする。

そしてそのチャレンジは自分のエゴでもなく、会社にとって正道であり善き心に基づいているものなのか、これも指針として自分に問うています。

YS BLADESの新たなチャレンジについて

現在、新たな挑戦で他の競技に特化したYS BLADESの開発を進めています。

氷上の競技はフィギュアスケートの延長線上にあるものなので、開発中の製品が今後十分良い結果を出してくれると確信しています。

ただ、お客様のニーズに制約がある場合も多いので、そこに我々の知見が活かせる具体的な提案をし、お互いが納得できるところまでやれればと思っています。

この取り組みがまた大きな伝播を起こし、将来につながっていくことを期待しています。

今後も山一ハガネの知見、技術を活かし、山一ハガネらしいアイデアでチャレンジし続けていきたいですね。

寺西のYS BLADESにおける“夢”

もちろん一人でも多くの選手にブレードを履いてもらい、履いてくれた世界中の選手たちが活躍してくれるというのも夢ではありますが、YS BLADESは当社がモノづくりをして行くうえでのフラッグシップであり、チャレンジ精神の象徴です。

究極の目的はその精神を広く伝えること。YS BLADESによって新しいチャレンジの目が生まれ、それが広がっていくことですね。

寺西は、根底にある一番大事な部分が伝播していくことを願っている

今までハガネとは全く縁のなかった人たちがYS BLADESを知り、そこから山一ハガネの別の事業にも興味を持ってくれ、「これっていいね!」が徐々につながっています。

YS BLADESをきっかけに熱量の高い人や発信するメッセージに共感してくれる人が集まってきてくれる。

そして社員が今よりもっと会社を、仕事を、仲間を好きになり、全員が同じチームで仕事をしているという意識を持ってくれれば新鮮な社風が吹いてくれるのではないでしょうか。

2024年3月18日から世界選手権が始まります。出場選手へエールを!

全ての選手が自己ベストをたたき出してくれることを願っています。

積み重ねてきた練習と努力の成果を最高のパフォーマンスで発揮し、難度の高い技にチャレンジできるよう、選手の皆さんを足もとから応援します! Let's Begin!

寺西のエール「 Let's Begin! 」は、YS BLADESを通じて選手たちに届いているはずだ