山と海の物語<前編> ― 山一ハガネと北海道機販の絆 ―

   

  

【北海道機販株式会社】

  代表取締役
  中鉢誠一

  取締役
  寺田直紀

  取締役
  鈴木淳也

顧問(前常務取締役)
伊藤光一

【株式会社山一ハガネ】




代表取締役
寺西基治

どうして北海道の会社と名古屋の会社がグループ会社に!?

寺西2012年に、精密金型部品をターゲットに当社に新しく「AEROV(エアロフ)」という金属加工工場を作りました。

当時、精密金型部品の市場が東北地区に多いという情報があったので東北に営業するにはどうすれば良いかと考えていました。
展示会に行くと、たくさんの会社のブースがある中で北海道と東北は一緒に出展しているケースが多く、札幌を中心に東北地区はまとまるのではないか、というイメージを持ったのを覚えています。

それから数年経った頃、知り合いの紹介で北海道機販の会社プレゼンを聞く機会がありました。

プレゼンを聞いてすぐ、このチャンスを逃してはいけない、この素晴らしい会社とグループ企業になりたいと素直に思ったのです。

そこから行動を起こすまでに時間はかかりませんでした。
今でも私のあの直感と判断は間違っていなかったと確信しています。

北海道機販も山一ハガネも「世の中に必要とされる会社になりたい」という同じ志を持っています。
お互いの拠点で協業できるのではないかという想像力も膨らみます。

離れた土地で違う仕事を行う者同士、色々なアイデアが生まれる土壌を作りたい、そう思ったことがキッカケでした。

山一ハガネの第一印象

伊藤前身で所属していたグループ企業に再編の波が押し寄せたことで当社にも過去最大のピンチが訪れたのですが、そんな時に我々を救ってくれたのが山一ハガネでした。

北海道機販の新社名披露パーティーで寺西社長から当社の社員に向けてご挨拶を頂いた時に、皆が感激していた姿を見て、本当に心を打たれました。

寺田今だから言えますが、最初は正直不安でした。
でも、寺西社長のお話を聞き、私たちの会社を良い方向に持っていけるかもしれない、期待したいという気持ちに変わりました。

鈴木寺西社長は、北海道機販の新社名披露パーティーの挨拶で私たちの気持ちに寄り添った言葉で話してくれました。
「名古屋の小さな会社がどうして?…ここにいる機販の社員の皆さんの不安は計り知れないほど大きいと思います。…今のままで大丈夫!あとはどこまで皆さんが頑張れるかです」という言葉は今でも記憶に残っています。

中鉢山一ハガネのグループ会社になって、新しい体制でスタートできるようにしていくことが長年勤めてきた私と伊藤さんの役目だと感じたので、一緒に社員を支えていこうとその時心に決めました。

距離を縮める山一ハガネと北海道機販

寺田グループ企業になったことで、名古屋が身近になった気がしています。
今までの人生であまり名古屋を考えることはなかったのですが、名古屋の天気予報を気にするようになりました(笑)。

寺西社員同士がお互いの会社の存在を意識するようになったのは、2017年に山一ハガネ創立90周年に合同で旅行をしたのが大きなきっかけだったと思います。
伊豆の旅館を貸し切りにしてみんなで楽しみましたよね。

鈴木とても大きな宴会場でしたね。
あれだけお膳がズラッと並んだ光景はもう圧倒されて、感動しました。
あの日、2次会のカラオケで寺西社長と初デュエットしたことも覚えていますよ(笑)。

総勢約200名が参加した合同社員旅行の様子

寺田旅行のときまでは寺西社長のことしか知らなかったので、初めて山一ハガネという会社を知れたような気持ちになりました。

伊藤すいません、私はあまり記憶がないんです…緊張したのか山一ハガネの皆さんと合流する前に移動するバスの中で飲み過ぎてしまって…(笑)。

寺西北海道が嫌いな人はいないと思っていて、だから北海道の会社とこうして関係が持てたことはすごく嬉しいことです。

もっと両社の交流を増やして、社員の皆さんにもっと視野を広げてほしいと思っています。
交流を増やすことで外から見た山一ハガネを感じられると思いますし、お互いにとって絶対にプラスになると思っています。

そのときには意識していなかったとしても、同じ流通業という立場でどこかのタイミングでつながってくるのではないかと確信しています。

中鉢北海道機販から山一ハガネを訪問した社員はまだ少ないので、若い人たちにも今後のためにはぜひ行ってもらいたいと思っています。
グループ企業の仕事を見ることは良い刺激と良い経験になると感じています。

お互いの会社の好きなところ、見習いたいところ

中鉢:山一ハガネのYS BLADESやHITAKIなどのモノづくりはすごいことだと思っています。
私たちはメーカー製品の販売がメイン事業のため、自社製品を考えて作るということは驚くべきことで尊敬しています。

そういう会社と協力してやっていけることは幸せなことだなと思いますね。

山一ハガネのYS BLADESと焚き火台HITAKI

寺田良いと思ったことをスピーディーにやられていて、変化していくところがすごいと思っています。

変化が早いこの時代を生き残るためには会社も変化していかなければならないですし、変化に恐れずどんどん挑戦されている姿を見て、見習いたいと思っています。

鈴木材料を在庫して販売するところとメーカー的な要素も持ち合わせているところ、一方で北海道機販は材料や製品の販売と電気(通信)工事という要素で、山一ハガネと似ている部分もあると思っています。

それに加え、山一ハガネはここ数年の間に新事業を始められて、新しい技術を取り入れながら試行錯誤をしている、そんなところにすごく魅力を感じます。
我々も新しいことにチャレンジする精神がある会社なので、良い刺激を受けています。

伊藤以前、 山一ハガネの工場見学をさせてもらったのですが、その帰りに自分たちも何か山一ハガネの技術を上手く活用できないだろうか、と気持ちをギラギラさせながら帰ったのを覚えています。

なぜそういう気持ちになったのかと言うと、関わったことをとことんやる山一ハガネの情熱に触れたからです。

私たちは山一ハガネの良い所を吸収させてもらっています。

寺西北海道機販は雰囲気が本当に素晴らしく、社員の皆が“一体感”を持って仕事をしていますよね。
この社風は他社に真似ができない、北海道機販の強みだと思っています。

最初は型にはまっている感じもありましたが、皆さんどんどん自分を出すようになってきて前向きになっているのでとても嬉しいです。

これも本当に巡り合わせです。
北海道機販の皆さんに山一ハガネが助けられている面が沢山あるので、これからもよろしくお願いします。

北海道機販に聞く!名古屋の行ってみたいところ・好きな食べ物

中鉢北海道には昔からの歴史ある建物が少ないです。
北海道には、「お城」はほとんどないので、名古屋城には行ってみたいと思っています。
「金のしゃちほこ」は1回見てみたいですね。

寺田犬山城に行ったことがあるのですが、すごく良かったです。
歴史もそうですが、建物がそのまま残っていますからね。
雰囲気も良いですし、登った天守閣からの眺めは最高でした!
歴史上の人物がこの川を渡ったのか、などと想像すると楽しくなりますし、飛行機がお城の真上を飛んでいくのも迫力がありました。

犬山城と名古屋名物「ひつまぶし」

鈴木名古屋の食べ物は「世界の山ちゃんの手羽先」と「ウナギ」が好きです。
「世界の山ちゃん」は札幌にもお店があるのですが、本場の名古屋では胡椒がものすごく効いていて辛さが段違いで、こんなに札幌と味付けが違うものかと驚きました。

ウナギは北海道にもあるのですが、ずっと食わず嫌いで見て見ぬふりをしていまして…。
実は、山一ハガネに初めて訪問したときに恐る恐る「ひつまぶし」を食べました。
ひつまぶしは3段階で楽しめる素敵な仕組みで、とても美味しくて本当に感動しました。
名古屋でひつまぶしに出会ってから私の食事にウナギという選択肢が入りました(笑)。

伊藤大きなエビフライや名古屋コーチン、名古屋の地のものを食べたいです。
喫茶店のモーニング文化も名古屋ならではの文化で素敵ですよね!

寺西基治に聞く!北海道で行ってみたいところ・好きな食べ物

寺西行ってみたいところはたくさんあって、北海道の隅々まで見てみたいですね。
食べ物も行く先々に美味いものがあるので、札幌で食べていない美味しいものがまだ他にあるのではないかと想像すると嫉妬のような気持ちになります(笑)。

行ってみて感動した場所は網走刑務所です。
なぜ網走刑務所ができたのかを知っただけでもすごい勉強になりました。
北海道の東側、未開の土地を囚人と看守が命がけで開拓したという壮絶なドラマに感動しました。

網走刑務所とアイヌ文化

アイヌの文化もすごいものだと感じています。
手に入るもので工夫をして、生活を便利にするアイデアに溢れていた。
北海道にはアイデアマンなご先祖様がいたことは、注目すべきことだと思っています。

グループ企業としての連携で今後どんな相乗効果を期待するか

寺西現在、人事や広報の関連で徐々に両社の社員同士の交流が始まっています。
拠点が違う互いのつながりはプラスに働いて相乗効果が出ています。
ですから、両社の交流はもっと加速していきたいです。

山一ハガネの営業が、札幌を拠点にして北海道で営業活動をしたいなど自然に交流が広がるとお互いに面白いですし、意識がつながっていくと思います。

違った文化の会社同士がつながるということは、拠点の意味があると思っています。
北海道のプロ、名古屋のプロがそれぞれ違う視点を持ち、一方通行ではない意思疎通ができれば良いですね。

寺田自然な流れでいつの間にか連携していた、となるのが理想ですね。
これまでは役員同士でしか関わりがなかったのですが、ようやく線だったものが面で交わり始めてきている気がしています。

鈴木山一ハガネに北海道機販のホームページリニューアルを監修してもらっていることが、今一番成果が出ているところだと感じています。
最近では人事系のコラボも始まっているので今後の進展に期待しています。

あとAM事業は建設業界の実績もあると聞いているので、北海道でも同様の案件が出てきて連携できるとビジネスの幅も広がっていきますよね。

北海道機販HPの写真は全て鈴木が思いを込めて撮影したものだ

伊藤まずは、山一ハガネと北海道機販がグループ会社だということをもっと外部にアピールしていきたいです。
お互いに宣伝し合い、お互いの存在をもっと表に出して、我々が気付かないところでお互いの利益向上につながればと思っています。

未来への願い

中鉢会社なので継続していくことが大前提にあります。
ですから、長く継続できる会社になってもらいたいです。
私は入社からもう40年になりますが、今いる社員の皆さんが定年まで勤めてくれるような会社にしたいという思いがあります。

みんながワンフロアのオフィスで働いている40人程の会社なので、途中で仲間が抜けてしまうのはやはり寂しい思いがあります。
同じ志を持って働いてくれる仲間たちと共に定年まで頑張っていきたいです。

寺田自分の知り合いを「北海道機販に入社させたい」など、誰かに紹介したくなるような会社になってほしいですね。
そして、良い会社だということが認知されて広がって、人が集まる会社になってくれたら良いなと思っています。

鈴木私も寺田さんと同じく、人が集まってくれる会社であってほしいと願っています。
採用面はもちろんですが、お客様やメーカーなどの取引先も集まってくれる会社です。
北海道機販という社名が北海道の隅々まで響くような会社になってほしいです。

あとは若い人たちがどんどん活躍して、モチベーション高く働いてくれると良いですね。

伊藤私は北海道機販というよりも…まずは山一ハガネの事業がプロジェクトXのようなテレビ番組で紹介されることを願っています!
そこに我々がグループ会社で存在していることが私の夢です。

北海道機販の皆さんには今の雰囲気を末永く続けてくれれば良いなと思っています。

寺西ご縁があって仲間になってくれた社員の人たち、あるいはこうやって縁があって関係を持った人たちが、安心して働けて幸せになってくれるような職場になってほしいですね。

あとは若い人達がアイデアを持ってくれて、会社のために「あれやりたい、これやりたい」を発言できるような会社にしたいです。

そうでないと、世の中の変化に対応できないですからね。

 

グループ企業として、同じ志を持つ仲間として絆を深める北海道機販と山一ハガネ。
次回、北海道機販の事業内容を詳しくご紹介!